2hpの空き
モジュラーのCVをMIDIに変換して外部機器へ送り、その演奏結果を再びCVとしてモジュラーへ戻す方法を考える。
ケースにあと2HPだけ空きがある。ブランクパネルで塞いでもいいし、放置してもいいのだが、ついでになんかできないか考えた。2hpのS+HやEGを検討したが、現在のセットにはすでに似た働きがかなり揃っている。Compare 2とSelect 2、WogglebugのStepped Randomを組み合わせれば、入力された電圧を特定の条件で切り取り、保持するような使い方ができる。長いエンベロープについてもPamela’s Pro Workoutでかなりのことができる。制御系はたぶんもう十分である。別方向へ進む。
そこで浮上したのがMIDI→CVである。
現在のA-192-2はCV/Gate→MIDI専用だが、かなり優秀で、2系統それぞれについてPitch、Gate、Velocity、CCを別々のCVから生成できる。OrbitやScales、Compare 2などの異なる運動を一つのMIDI演奏へ束ねられる。しかし現在のシステムには帰路がない。
空き2HPへ2hp MIDIを追加すれば、
モジュラー → A-192-2 → MIDI → Organelle → USB MIDI → 2hp MIDI → CV/Gate → モジュラー
という輪を閉じられる。
ポイントは、帰ってくる情報が元と同じ形ではないことである。Organelleが出したMIDI NoteはPitch CVになり、Velocityは別のCVになり、Note On/OffはGateになる。演奏が速くなれば電圧そのものが高くなるのではなく、Gateの発生頻度が高くなる。音色変化を返したければ、Organelle側でCCとして出力してCV化すればよい。
たとえば帰ってきたPitch CVをA-152のAddressへ送れば、Organelleのメロディーがモジュラー側では「どの回路を選択するか」という情報になる。VelocityをCompare 2のSHIFTへ送れば、演奏の強弱が次回の判定基準を変える。GateをSelect 2へ送れば、Organelle自身の発音がモジュラーの経路を切り替える。
つまり一周するたびに意味が変わる。
Orbitの電圧が音程になり、音程がOrganelleで演奏され、その演奏が再び電圧になり、今度はOrbit自身の速度やCompare 2の条件を変える。そうすると次にOrbitから出てくる運動も変わる。単なるランダムシーケンサーではなく、自分の出力によって自分の次の状態が変化する装置になる。
ロボットである。
ただし2hp MIDIには大きな制限がある。MIDI入力が通常のTRS/DINではなくUSB Miniだけなので、USBホストが必要になる。OrganelleはUSBホストになれるので相性が良いが、Plinkyやvolca FM2のMIDI OUTから2hp MIDIへ直接戻すことはできない。これらを参加させるには一度OrganelleへMIDIを入れ、Pure DataでUSB側へ中継する必要がある。
しかもMIDI中継専用パッチをOrganelleで動かすと、通常のシンセやサンプラーのパッチは同時には使えない。中継機能を使いたいシンセパッチ自身へ組み込めば共存できるが、その分パッチを自作・改造する必要がある。
そこで、より本格的な構成も検討した。
現時点で最も強力なのは、
Expert Sleepers CVM-8 + Tiny MIDI Breakout + Befaco MIDI Thing V2
の組み合わせ。
CVM-8は8本のCVを自由にMIDI化できる。Tiny MIDI BreakoutはCVM-8背面にあるMIDI IN/OUT/THRUを前面のTRS MIDI端子へ出すだけのパッシブな2HPモジュール。そしてMIDI Thing V2は外部機器から戻ってきたMIDIを最大12本のCV/Gate/Trigger/Clockなどへ自由に展開できる。
この構成ならOrganelleに限定されない。
モジュラー → CVM-8 → Plinky モジュラー → CVM-8 → volca FM2 モジュラー → CVM-8 → Organelle
などが可能で、それぞれから返ってきたMIDIをMIDI Thing V2で再びモジュラーへ入れられる。
これにより、どの機材も循環の一部になれる分散型の構成になる。こちらの方が最終形としては明らかに強力だが、CVM-8、Tiny MIDI Breakout、MIDI Thing V2を揃えるとかなり高価になる。
対してA-192-2はすでに所有しており、ケースにはちょうど2HP空いている。したがって2hp MIDIを一台追加するだけなら、約2万円でCV→MIDI→CVという閉回路そのものを試せる。
今のところ整理すると、
2hp MIDI+A-192-2+Organelleは、最小コストで循環そのものを実験する構成。
CVM-8+Tiny MIDI Breakout+MIDI Thing V2は、Organelleに依存せず複数のMIDI機器を自由に循環へ参加させられる最終形。
という感じ。
まず安価な方で、フィードバックロボがどんな具合か確認するのがいいかもしれない。その後、将来的にOrganelle依存を外して、Plinkyやvolca FM2なども対等に参加する分散した循環系への拡張を検討する。
だいたい複雑にすればいいってものでもない。チュードアの轍を踏まないように。