A-119からA-152へ
Doepfer A-119は、ギターやマイクなどの外部音声をモジュラーシンセで扱えるレベルまで増幅し、その音量変化をエンベロープCVやゲート信号として取り出せるモジュールである。音そのものと制御信号を同時に生成できるため、ギターとモジュラーを相互フィードバックする入口としておれは扱っている。
Doepfer A-152は、ひとつの信号を八つの経路へ切り替えるアナログスイッチ兼サンプル&ホールド・モジュールである。切り替え自体はCVやクロックで制御できるため、ギターをドライで送ったり、別のシンセへ送ったりといった経路を自律的に変化させられる。音そのものを加工する装置ではなく、信号をどこへ送るかを決める交通整理のような役割を担っている。
今日はA-119で増幅したギター音をA-152へ送り、そこからドライ音とエフェクターへ切り替える構成を試した。ギターの音をそのままA152に流すとたんに演奏に同期してスイッチが変わるだけなので、いったんorbitに回す。そこからさらにcompare2を経由してorbitのアナログ電圧を離散化させてからA152に戻す。こうすることでどう変わるか読めないが、なにかしら反応がある相互フィードバックシステムを構築するのだ。
しかしここで問題が起きた。A152を揺らすにはA-119のゲインを十分に上げる必要がある。しかしそれだととミキサーへ送る音が大きくなりすぎてクリップする。ジレンマに陥った。いったんゲーム制作に作業を切り替えて、画面のレイアウトを整えることに没頭した。
そうしてるうちに解決法を思いついた。A-152の二つの出力をそれぞれいったんJoranalogue Select 2へ通し、ポラライザーをほぼゼロまで絞ってからミキサーとエフェクターへ送ってみた。Select 2はCVだけでなく音声も扱える二系統のアナログスイッチ兼アッテネーターで、信号を反転・増幅・減衰できる。今回はスイッチャーとしてではなく、単純な減衰器として使用する。
これで音割れは解消した。A-119から送ったエンベロープはそのままA-152内部で正常に動作し、スイッチングも問題なく行われた。モジュラー内部では十分なレベルを確保し、外へ出す直前だけ減衰させればよい。まあラインセレクターがあればもっと簡単に制御できるだろう。
単純なレベル調整の話ではあるが、自分にとっては収穫だった。A-152そのものが外部音声の扱いに向いていないのではないかと疑っていたが、実際にはモジュラー内とラインレベルの違いを整理できていなかっただけだったらしい。内部では信号を増幅して、出すときには抑える。この考え方は今後のシステム全体にも応用できると思う。ひとつ賢くなった気がする。