MOODの研究
MOODは、左側に空間系エフェクト、右側にマイクロルーパーを持ち、その二つを中央のCLOCKでまとめて不安定化できるエフェクターである。背面のDIPスイッチを使うと、EXP/CV入力からTIME、LENGTH、左右のMODIFY、CLOCKなどを外部電圧で動かせる。どのスイッチでどのノブがなにをどう動かすのかが複雑で、説明書を読んでも実際に音を出しても関係がよくわからない。有名なやつなのでなんとなく手に入れて、それからまったく使わずに放置していた。今回は一念発起。普通のエフェクターというより、小型の音響装置に近い。
今日はOrbit 3の出力をO/A/x2で減衰し、MOODのEXP/CV入力へ送った。CVを使えるということで今回は一念発起したのだ。背面DIPではCLOCKを選択した。Orbitの電圧が変化すると、MOOD内部の時間軸や再生速度が連続的に変わり、ディレイの長さ、ピッチ、ループの粒立ちがゆっくり歪んでいく。単にエフェクトが強くなったり弱くなったりするのではなく、同じ音が別の速度や質感へ移動していく。
Orbitを直接つなぐと電圧が大きすぎるらしく、MOODのフットスイッチが勝手に入ることがあった。O/A/x2で減衰すると起きなくなったのだが、ほんとにそれが関係あるのかもわからない。とにかくO/A/x2という装置は地味に見えるがかなり重要である。電圧のオフセットと減衰がこんなに音に関係するとは知らなかった。これがOrbitがMOODへどの程度介入するかを決める装置になる。減衰を深くすると、元の音の周囲を小さく揺れる。減衰を浅くすると、音程やループの速度が大きく崩れる。O/A/x2のことがだんだんわかってきたのがうれしい。関係性の強さを調整するノブとしてかなりアツい。
さらにOrbitをCompare 2へ通すと、連続的なカオス電圧は0Vと5Vの二値へ変換される。Orbitを直接送った場合はMOODの効き方が滑らかに漂うが、Compare 2を経由すると二つの状態が突然切り替わる。通常の時間から急に低速の世界へ移り、しばらく滞在したあと、何事もなかったように戻る。直結では連続的な揺らぎになり、Compare 2では離散的な事件になる。どちらが良いというより、同じOrbitの運動が、途中に何を置くかによって別の性格を持つ。
MOODの中央の小さなランプは、電圧の変化に応じて点滅の仕方が変わる。音だけでは読みづらいOrbitの動きが、ランプとして見えるのも良い。ただし、どのDIPを入れ、どのモードを選び、各ノブをどこに置くかで反応が微妙に変わるため、まだ関係はほとんど読めていない。要するに、相変わらずなにもわからないのである。